「一本締め」と「三本締め」の違いって?基本から知ろう

日本の宴席や式典などでよく耳にする「一本締め」「三本締め」。
どちらも拍手で場を締めくくる伝統的な慣習ですが、「どう違うの?」「どっちを使えばいいの?」と戸惑った経験はありませんか?
このページでは、「一本締め」と「三本締め」の違いや意味、使い分けのポイントをやさしく丁寧に解説します。
さらに、地域による違いや実際のやり方、場面別マナーなどもくわしくご紹介。
結婚式や会社の飲み会、忘年会などで恥をかかないよう、しっかりチェックしておきましょう。
・「一本締め」と「三本締め」の違いがわからない
・どの場面で使い分ければいいか知りたい
・宴会の締めの挨拶で失敗したくない
・地域の違いやマナーも押さえておきたい
一本締めとは?意味と手の打ち方を解説
「よーっ、ポン!」だけじゃない?一本締めの正式な形
一本締めとは、「拍手を一回だけ打って終わり」ではなく、実は8拍のリズムを打つ形式です。
正式には「三三七拍子(さんさんしちはくし)」の最後の「7拍子」部分を抜き出した形とも言われています。
拍手のリズムは以下のように行います:
- 「よーっ」:掛け声
- 「パン・パン・パン パン・パン・パン パン」:計7回
- (間をおいて)「パン!」:締めの1拍
この最後の1発の「パン!」がいわゆる「一本」というわけです。
一本締めが使われる場面
・宴席や会合の締め
・送別会や歓送迎会
・結婚式の披露宴の終わり
・会社の飲み会・新年会・忘年会
比較的カジュアルな場でもよく見かける締め方で、「手短に締めたい」「サッと終わりたい」ときに選ばれます。
三本締めとは?厳かな雰囲気で行いたいときに
三本締めのリズムと由来
三本締めは、先ほどの「一本締め」の7拍+1拍の流れを3回繰り返す
つまりこうなります:
- 「よーっ」:掛け声
- 「パン・パン・パン パン・パン・パン パン パン」×3回
合計で24拍になります。
もともとは江戸時代の商人の慣習「手締め」から来ており、
「三本」は感謝・祝意・成功祈願の3つを表しているとも言われています。
三本締めが使われる場面
・会社の創業記念式典や表彰式
・大規模な結婚披露宴
・落成式や祝賀パーティー
・町内会や地域の公式イベントなど
フォーマルで格式高い場面で選ばれることが多く、参加者が多い場合にも効果的です。
一本締めと三本締めの違いを比較表でチェック

| 比較項目 | 一本締め | 三本締め |
|---|---|---|
| 拍手の数 | 7拍+1拍(計8拍) | 8拍 × 3回(計24拍) |
| 所要時間 | 短い(10秒程度) | やや長い(30秒程度) |
| 使用場面 | カジュアル〜セミフォーマル | 公式・フォーマルな場面 |
| 意味・意図 | 一区切り・軽快な締め | 丁寧な感謝・格式ある締め |
| 人数 | 少人数でもOK | 大人数向け |
似て非なる「一丁締め」とは?一本締めとの違い
「一丁締め」は“1回だけ手を叩く”方式
一本締めと混同されやすいのが「一丁締め」。
一丁締めは文字通り、「パン!」と一発だけ手を叩いて終える簡略スタイルです。
多くの人が「一本締め=パン!」と勘違いしがちですが、正確には「一丁締め」です。
一丁締めが使われる場面
・急ぎで会を締めたいとき
・カジュアルすぎる場で拍手を揃えるのが難しいとき
・簡単に終わらせたいスピーチや集まり
略式であることを理解したうえで使うのがマナー。
本格的な場では使わないように注意しましょう。
一本締め・三本締め・一丁締めの正しい掛け声とは?
締めの拍手で意外と迷いやすいのが「掛け声」のタイミングと内容。
多くの場合、リーダー役の人が「お手を拝借!」と言って始めます。
代表的な流れはこんな感じです:
① 幹事:それでは、一本締めでお願いします!
② 幹事:お手を拝借!
③ 全員:「よーっ!」(掛け声のあとに拍手)
④ パン・パン・パン パン・パン・パン パン パン!
タイミングがズレると恥ずかしいので、最初に「お手を拝借!」の合図が出てから拍手をするのがマナーです。
地域によっても違う?一本締め・三本締めの文化的な違い

関東は「一本締め」・関西は「三本締め」傾向
実は、「一本締め」と「三本締め」には地域による使い分けの傾向もあります。
- 関東地方:一本締めが主流
- 関西地方:三本締めが好まれる
関西では商人文化が色濃く残っているため、「三・三・七拍子」のようにリズムを重視する伝統があり、三本締めを正式とする場面が多いです。
地域差をどう乗り越える?
もし他県から来たゲストが多い場合は、司会者や幹事が「〇〇締めでいきます」と明言することで、混乱を避けられます。
こんなときはどっち?シーン別おすすめの締め方
結婚式・披露宴の締め
フォーマル度が高く、親族や目上の方が多く参加する結婚披露宴では、三本締めが好ましいとされます。
ただし、カジュアルな2次会では一本締めや一丁締めでもOKです。
会社の飲み会・送別会
終業後の飲み会や送別会では、一本締めが適切です。
あまりにも厳かな三本締めだと、場の雰囲気に合わないこともあります。
地域イベント・公式行事
町内会や祭りの締めでは、三本締めが選ばれる傾向があります。
年配の方や地元の方が多い場では「慣習」に従うとスムーズです。
一本締め・三本締めで気をつけたいマナーとNG例
周囲とタイミングを合わせるのが鉄則!
どの形式でも大切なのは、拍手のタイミングを周囲と揃えること。
早打ちやリズムのズレは、場の雰囲気を壊してしまう原因に。
やってはいけないNG集
- いきなり拍手を始めてしまう
- 掛け声を無視してフライング
- 一人で勝手に「パン!」と終わらせる
- 「一丁締め」で済ませたつもりになる
「一人だけ目立つ行動は避ける」のがマナーです。
【Q&A】一本締めと三本締めにまつわる疑問を解決!
Q. 拍手の音が小さくてもいいの?
A. 気持ちを込めて拍手をすることが大切ですが、音の大きさよりリズムと揃えることが優先です。無理に大きな音を出す必要はありません。
Q. 拍手のリーダーは誰がやるべき?
A. 幹事や司会者、会の主催者など、その場を仕切る立場の人が担当するのが一般的です。
Q. 一本締めのあとは何か言うの?
A. 締めのあとに「本日はありがとうございました!」と簡潔に感謝の言葉を添えるのがスマートです。
Q. 音頭の「よーっ!」のタイミングがわかりません
A. 「お手を拝借!」のあとに、少し間をあけて「よーっ!」と声がかかります。リーダーのタイミングに合わせて構えましょう。
まとめ:一本締めと三本締め、場に応じた選び方で好印象に
「一本締め」と「三本締め」は、拍手の回数や意味に違いがあり、場の格式や人数、雰囲気によって使い分けるのがポイントです。
・一本締めは手短に終えたいカジュアル〜セミフォーマルな場向け
・三本締めは格式のある正式な式典や祝賀会におすすめ
・「一丁締め」は略式で、親しい仲間内などに限定
・拍手のタイミングと掛け声は、周囲と合わせるのがマナー
最後の拍手まで気持ちよく揃えることで、その場の一体感も生まれ、参加者みんなの印象に残る「よい締め方」になりますよ。
