秋のきのこにはどんな種類がある?栄養や特徴・おいしい食べ方を紹介

秋といえば「食欲の秋」。さつまいもや栗、秋刀魚などいろいろな食べ物がおいしい季節ですが、忘れてはいけないのがきのこです。
しいたけ、しめじ、まいたけ、えのき、エリンギ、そして秋の味覚の王様ともいえる松茸。
スーパーで一年中購入できるきのこも多いため、「きのこって本当に秋の食べ物なの?」と思う人もいるかもしれません。
現在は施設栽培によって一年中安定して出回る種類が多くなりましたが、自然界では秋に発生するきのこが多く、日本では昔から秋を代表する食材として親しまれてきました。
しかも、きのこは料理に加えると旨みや食感が増すだけでなく、食物繊維やビタミン、ミネラルなどを摂れる食材でもあります。
わが家でも、きのこは普段の食事に取り入れやすい食材のひとつです。
特別な料理を作らなくても、お味噌汁や炒め物、炊き込みご飯、鍋などに加えられるので、「あと一品」「もう少し具材を増やしたい」というときにも便利ですよね。
この記事では、秋に楽しみたいきのこの種類や栄養、それぞれの特徴、おいしい食べ方、保存方法、食べるときの注意点まで分かりやすく紹介します。
秋にきのこがおすすめなのはなぜ?
きのこは一年を通して食べられますが、秋になると特に「きのこ料理」が食べたくなる人も多いのではないでしょうか。
炊き込みご飯や鍋、ホイル焼きなど、涼しくなってくる季節に食べたくなる料理との相性がよいのも理由のひとつです。
また、松茸のように秋ならではの味覚として楽しまれているきのこもあります。
秋らしい料理に使いやすい
秋は少しずつ気温が下がり、温かい料理がおいしく感じられる季節です。
きのこは汁物、鍋、炊き込みご飯、煮物などに使いやすく、秋冬の献立とよく合います。
数種類のきのこを一緒に使えば、食感や香りの違いも楽しめます。
低エネルギーで料理のボリュームを増やしやすい
きのこの多くは水分を多く含み、比較的低エネルギーです。
その一方で食物繊維を含み、噛みごたえのある種類もあります。
肉や野菜だけの炒め物にきのこを加えたり、スープや鍋の具材を増やしたりすれば、料理のボリュームを出しやすくなります。
「低カロリーだからたくさん食べれば痩せる」というものではありませんが、普段の食事に取り入れやすい食材といえるでしょう。
いろいろな種類を選べる
一口にきのこといっても、味や香り、食感はかなり違います。
しいたけのように旨みを楽しめるもの、えのきのようにシャキッとした食感が特徴のもの、エリンギのように弾力のあるものなどさまざまです。
料理によって使い分けられるのも、きのこの魅力です。
きのこに含まれる主な栄養素

きのこには種類によって含まれる量は異なりますが、食物繊維やビタミンD、ビタミンB群、カリウムなどの栄養素が含まれています。
「きのこを食べれば何でも健康になる」というわけではありませんが、いろいろな食品と組み合わせながら食べることで、毎日の食事の栄養バランスを整えるのに役立ちます。
食物繊維
きのこに含まれる栄養素として注目したいもののひとつが食物繊維です。
食物繊維は、人の消化酵素では消化されにくい成分で、腸内環境を整えるうえでも大切な栄養素です。
野菜、海藻、豆類などと一緒に、きのこも食物繊維の摂取源として取り入れられます。
ビタミンD
きのこの種類によっては、ビタミンDを含んでいます。
ビタミンDはカルシウムの吸収に関係する栄養素で、骨の健康を保つためにも重要です。
特にきくらげや干ししいたけなどは、ビタミンDを摂れる食品として知られています。
ただし、含有量はきのこの種類や栽培・加工方法などによって異なります。
ビタミンB群
きのこには、ビタミンB群も含まれています。
ビタミンB群は、体内でエネルギーを利用する際などに関わる栄養素です。
きのこだけに頼るのではなく、肉や魚、卵、大豆製品、野菜など、さまざまな食品を組み合わせて摂ることが大切です。
カリウム
きのこにはカリウムも含まれています。
カリウムは体内の浸透圧の調整などに関わるミネラルです。
きのこだけでなく、野菜や果物、いも類などにも含まれているため、普段の食事からバランスよく摂りたいですね。
β-グルカンとは?
きのこについて調べると、「β-グルカン」という言葉を目にすることがあります。
β-グルカンは多糖類の一種で、きのこ類にも含まれる成分です。
健康との関係についてさまざまな研究が行われていますが、普段のきのこ料理を食べるだけで病気を予防したり、免疫力が必ず上がったりすると断定できるものではありません。
きのこはあくまで毎日の食事を構成する食品のひとつとして楽しみましょう。
秋におすすめのきのこ7種類
ここからは、スーパーで手に入りやすいものから秋ならではの高級食材まで、代表的なきのこの特徴を紹介します。
1.しいたけ

しいたけは、和食では特におなじみのきのこです。
焼き物、煮物、鍋、炒め物、炊き込みご飯など、さまざまな料理に使えます。
生しいたけは肉厚な食感を楽しめ、干ししいたけは戻し汁までだしとして利用できます。
干すことによって旨みや香りの印象も変わるため、生と乾燥を料理によって使い分けるのもおすすめです。
2.しめじ

スーパーでよく見かける「しめじ」の多くはブナシメジです。
クセが比較的少なく、炒め物、汁物、鍋、パスタ、炊き込みご飯など幅広い料理に使えます。
「香り松茸、味しめじ」という言葉がありますが、ここでいう「しめじ」をスーパーで一般的に売られているブナシメジと単純に同じものとして考えないほうがよいでしょう。
それでもブナシメジは手頃で使いやすく、家庭料理では出番の多いきのこです。
3.まいたけ

まいたけは独特の香りと歯ごたえが魅力です。
炒め物や鍋はもちろん、天ぷらにすると香りとサクサクした衣の組み合わせを楽しめます。
手で簡単にほぐせるため、包丁を使わず調理しやすいのも便利なところです。
炊き込みご飯にすると、ご飯にもきのこの香りが広がります。
4.えのきたけ

えのきたけは細長い形と、加熱したときの独特の食感が特徴です。
鍋や味噌汁に入れるほか、豚肉で巻いて焼いたり、炒め物にしたりする方法もあります。
一袋でも量があるので、料理のかさ増しをしたいときにも便利です。
根元の硬い部分を切り落とし、食べやすい大きさにほぐして使います。
5.エリンギ

エリンギは太い軸と弾力のある食感が特徴です。
縦に切る、輪切りにする、手で裂くなど、切り方によっても食感が変わります。
バター醤油炒めやソテー、焼き物などにすると食べごたえがあります。
わが家でも、きのこだけでは物足りないというときは、肉や野菜と一緒に炒めるような食べ方が取り入れやすいと思います。
6.なめこ

なめこといえば、表面のぬめりが特徴です。
定番は味噌汁ですが、大根おろしと合わせたり、そばやうどんに加えたりする食べ方もあります。
ほかのきのこと食感が大きく違うので、いつもの汁物に変化を付けたいときにも便利です。
7.松茸

秋のきのこを語るなら、やはり松茸も外せません。
松茸はアカマツなどの生きた木の根と共生するきのこで、人工的に安定して大量生産することが難しく、国産品は非常に高価になることがあります。
最大の魅力は独特の香り。
焼き松茸、松茸ご飯、お吸い物、土瓶蒸しなど、香りを生かした料理で楽しまれています。
わが家では現在、国産松茸などなかなか手が出ない高級食材ですが、私が子どものころには父の友人が持ってきてくださることがありました。
今になって考えると、ずいぶんぜいたくなものをいただいていたのだと思います。
松茸の旬や香り、国産松茸がなぜ高いのかについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
関連記事:松茸とは?旬はいつ?香りや味・おいしい食べ方と国産松茸の特徴を解説
きのこの種類別・おすすめ料理一覧
| きのこ | 特徴 | おすすめ料理 |
|---|---|---|
| しいたけ | 旨みがあり肉厚 | 焼き物・煮物・鍋・炊き込みご飯 |
| しめじ | クセが少なく使いやすい | 炒め物・汁物・パスタ・炊き込みご飯 |
| まいたけ | 香りと歯ごたえがある | 天ぷら・鍋・炒め物・炊き込みご飯 |
| えのきたけ | 細長く独特の食感 | 鍋・味噌汁・肉巻き・炒め物 |
| エリンギ | 弾力があり食べごたえがある | ソテー・バター醤油炒め・焼き物 |
| なめこ | ぬめりが特徴 | 味噌汁・おろし和え・そば・うどん |
| 松茸 | 独特の香りが魅力 | 焼き松茸・松茸ご飯・土瓶蒸し・お吸い物 |
きのこは洗う?洗わない?
きのこを調理するとき、「水で洗うの?」と迷うことがあります。
市販されている栽培きのこの多くは、汚れが少なければ基本的に大きなゴミなどを取り除いて調理できます。
汚れが気になる場合は、キッチンペーパーなどで拭き取ったり、必要に応じて手早く洗ったりします。
ただし、きのこの種類や商品の状態によって扱い方は異なります。
パッケージに調理方法が書かれている場合は、その表示も確認しましょう。
きのこの石づきはどこまで切る?
きのこの根元には、硬かったり培地が付いていたりして食べにくい部分があります。
一般的には、この硬い部分を切り落として調理します。
ただし、軸のすべてを捨てる必要はありません。
しいたけの軸なども、硬い先端を除けば細く裂いて炒め物や汁物に利用できます。
食材を無駄なく使いたいときには覚えておくと便利です。
秋の食卓におすすめ!きのこの調理方法

きのこを焼いて香ばしく
しいたけやエリンギ、まいたけなどは焼くだけでもおいしく食べられます。
フライパンやグリルで焼き、塩や醤油を少し加えるだけでも一品になります。
アルミホイルに数種類のきのこを包み、バターや少量の醤油を加えてホイル焼きにする方法もあります。
鍋料理なら数種類を一度に楽しめる
秋から冬にかけては、きのこをたっぷり使った鍋もおすすめです。
しいたけ、しめじ、まいたけ、えのきなどを組み合わせると、それぞれの食感の違いを楽しめます。
白菜、長ねぎ、豆腐、肉や魚なども一緒に食べられるので、一品でいろいろな食品を取り入れやすいのも鍋料理のよいところです。
炒め物なら普段のおかずに取り入れやすい
きのこは肉や野菜との相性もよく、普段の炒め物へ手軽に加えられます。
豚肉としめじ、鶏肉とまいたけ、ベーコンとエリンギなど、冷蔵庫にある食材と組み合わせてもよいでしょう。
きのこから水分が出ることがあるため、べちゃっとさせたくない場合は、フライパンへ一度に詰め込みすぎないこともポイントです。
炊き込みご飯なら秋らしさ満点
きのこの炊き込みご飯も、秋になると食べたくなる料理です。
しめじやまいたけ、しいたけなどを組み合わせると、いろいろな旨みや食感を楽しめます。
油揚げや鶏肉、にんじんなどを加えてもおいしいですね。
松茸が手に入った場合は、ほかの具材や調味料を増やしすぎず、松茸の香りを主役にした松茸ご飯にする方法もあります。
味噌汁やスープなら少量でも使いやすい
冷蔵庫にきのこが少しだけ残っているときは、味噌汁やスープに入れてしまうのも便利です。
しめじ、えのき、しいたけ、なめこなどは汁物に使いやすく、野菜や豆腐を一緒に入れれば具だくさんになります。
中途半端に残ったきのこを使い切りたいときにもおすすめです。
きのこは冷凍すると便利
きのこを一度に使い切れない場合は、冷凍保存も便利です。
石づきなど食べられない部分を取り除き、料理に使いやすい大きさに切ったりほぐしたりしてから冷凍用保存袋へ入れます。
しいたけ、しめじ、まいたけ、えのきなどは、冷凍しておけば味噌汁や炒め物、炊き込みご飯などにすぐ使えます。
数種類を混ぜて「きのこミックス」にして冷凍しておく方法も便利です。
わが家のように、買った食材をうっかり冷蔵庫で長く置いてしまうことがある家庭なら、使い切れそうにないと分かった時点で冷凍してしまうのも食品ロスを減らすひとつの方法です。
冷凍きのこは解凍してから使う?
冷凍したきのこは、料理によっては解凍せず、そのまま加熱調理できます。
自然解凍すると水分が出て食感が変わることがあるため、味噌汁やスープ、炒め物、炊き込みご飯などへ凍ったまま加える方法が使いやすいでしょう。
市販の冷凍きのこについては、商品の表示に従って調理してください。
乾燥きのこも常備しておくと便利
きのこには、生だけでなく乾燥させて利用できるものもあります。
代表的なのが干ししいたけです。
水で戻した干ししいたけは煮物や炊き込みご飯などに使え、戻し汁もだしとして活用できます。
生のきのこを使い切れず傷ませることが多い場合は、乾物を上手に組み合わせるのもよい方法です。
きのこを食べるときの注意点

きのこは基本的に加熱して食べる
スーパーで売られている一般的なきのこは、基本的に加熱して食べましょう。
生食に向かない種類もあり、加熱不足によって体調を崩す可能性もあります。
「新鮮だから生でも大丈夫」と自己判断せず、商品に表示されている調理方法も確認してください。
食べ過ぎにも注意する
きのこには食物繊維が含まれています。
健康によいイメージがあるからといって、一度に極端な量を食べる必要はありません。
人によっては食物繊維を急に多く摂ることで、お腹が張ったり、消化器症状が出たりすることがあります。
肉、魚、卵、大豆製品、野菜、ご飯など、ほかの食品とバランスよく組み合わせましょう。
野生のきのこを自己判断で食べない
きのこで特に注意したいのが、野生のきのこです。
食用きのこと毒きのこは、外見がよく似ている場合があります。
「昔食べたものに似ている」「図鑑の写真と同じように見える」といった素人判断は危険です。
種類を確実に判断できない野生のきのこは、採らない・食べない・人にあげないことが大切です。
「虫が食べているから安全」は間違い
野生のきのこについて、「虫が食べているから人間も食べられる」という話を聞くことがありますが、安全性を判断する根拠にはなりません。
虫と人間では影響を受ける成分が異なる場合があります。
迷った野生きのこを自己判断で食べることは避けましょう。
「縦に裂けるきのこなら安全」でもない
きのこの見分け方には、昔からさまざまな言い伝えがあります。
「縦に裂ければ食べられる」「塩漬けすれば毒が消える」「派手な色のきのこだけが毒きのこ」といった方法で、安全性を判断することはできません。
野生のきのこは、確実に食用と判断できないものを口にしないことが最も重要です。
きのこを毎日の献立に取り入れるコツ
きのこは健康のために特別な食べ方をしなくても、普段の家庭料理に少しずつ取り入れられます。
味噌汁にしめじを加える、炒め物にエリンギを足す、鍋にえのきやしいたけを入れるなど、それだけでも十分です。
私は毎日の食事では、一食だけを完璧にするというより、一日や一週間の中でいろいろな食品を食べられればよいと考えています。
きのこも「健康によいから毎日たくさん食べなくては」と考えるのではなく、野菜や肉、魚、大豆製品などと組み合わせながら楽しむのが続けやすいと思います。
きのこについてよくある質問

きのこの旬は秋ですか?
自然界では秋に発生する種類が多く、きのこは昔から秋を代表する食材として親しまれてきました。
ただし、現在スーパーで販売されているしいたけ、しめじ、えのき、まいたけ、エリンギなどの多くは施設栽培されているため、一年を通して購入できます。
きのこは毎日食べてもいいですか?
一般的な食用きのこは、普段の食事の一部として取り入れられます。
ただし、特定の食品だけに偏るのではなく、さまざまな食品を組み合わせることが大切です。
きのこはダイエットに向いていますか?
きのこの多くは比較的低エネルギーで、食物繊維を含んでいます。
料理のボリュームを増やしたいときに使いやすい食材ですが、きのこを食べるだけで体重が減るわけではありません。
食事全体の量や内容、生活習慣も含めて考えましょう。
きのこは洗うと栄養がなくなりますか?
水洗いだけで栄養がすべてなくなるわけではありません。
ただし、種類によっては水を吸って食感が変わりやすいため、汚れが少なければ拭き取る程度で使えるものもあります。
商品の状態やパッケージの表示に合わせて下処理しましょう。
いろいろなきのこを一緒に食べてもいいですか?
食用として販売されているきのこなら、数種類を組み合わせて料理に使えます。
しめじ、まいたけ、しいたけ、えのきなどを合わせれば、香りや食感の違いも楽しめます。
きのこ鍋や炊き込みご飯、きのこ炒めなどにすると使いやすいでしょう。
松茸はほかのきのこと何が違うの?
松茸はアカマツなどの生きた樹木の根と共生する菌根菌で、人工的に安定して大量生産することが難しいきのこです。
独特の香りが大きな特徴で、国産松茸は収穫量が限られるため高価になることがあります。
松茸について詳しく知りたい人は、旬や食べ方、国産松茸の特徴をまとめた関連記事も参考にしてください。
関連記事:松茸とは?旬はいつ?香りや味・おいしい食べ方と国産松茸の特徴を解説
まとめ|秋はいろいろなきのこを食卓で楽しもう

秋は、きのこを使った料理がおいしい季節です。しいたけ、しめじ、まいたけ、えのき、エリンギなど身近なきのこを組み合わせれば、炒め物から鍋、汁物、炊き込みご飯まで幅広い料理を楽しめます。
きのこには食物繊維やビタミン、ミネラルなどが含まれていますが、「食べれば免疫力が上がる」「食べるだけで痩せる」といった万能食品ではありません。
健康のためには、きのこだけに頼らず、肉や魚、卵、大豆製品、野菜、海藻、いも類など、いろいろな食品をバランスよく食べることが大切です。
きのこのよいところは、特別な料理を作らなくても普段の献立に加えやすいこと。
お味噌汁にひとつかみ、炒め物に一パック、鍋には数種類を組み合わせるなど、その日の料理に合わせて気軽に取り入れてみてください。
そして、秋ならではのきのこといえば松茸。
わが家では今やなかなか手の届かない存在ですが(笑)、松茸もまた、香りとともに秋を感じさせてくれる特別なきのこです。
手頃ないつものきのこから、ちょっとぜいたくな秋のきのこまで、それぞれの味や食感を楽しみながら秋の食卓に取り入れていきたいですね。

